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暑熱順化~熱中症対策の一環として~

[2025年5月13日]

 暑さに慣れていないと熱中症になる危険性が高まります。「暑熱順化(体が暑さになれること)」について知り、気温が高くなる前から熱中症の対策を行いましょう。


暑さに強い体をつくる「暑熱順化(しょねつじゅんか)」とは?

暑熱順化とは、暑さに体を慣れさせて、熱中症になりにくい体をつくることです。特に気温が急上昇する6~7月にかけては、体が暑さに慣れておらず、気温が急上昇する時は熱中症が発生しやすくなります。意識的に暑熱順化を進めることが大切です。


実際に何をすればいい?暑熱順化の実践法

方法

内容

頻度・時間

軽い運動

ウォーキング、体操、階段昇降など少し汗をかくような動き

1日30分程度、

週5日を目安に

入浴

シャワーだけではなく、適度に汗をかくような温度の湯船に浸かる

2日に1回程度

外に出る

日陰を歩くだけでもOK

無理のない範囲で

※室温や湿度が高すぎると逆効果になることがあります。こまめな水分補給を忘れずに!


暑熱順化による効果

  • 汗をかきやすくなる
  • 体温調整がしやすくなる
  • 疲れにくくなる
  • 熱中症のリスクが下がる


人は体を動かすと、体温が上昇します。体温が上がった時は、汗をかくこと(発汗)による気化熱や、心拍数の上昇や皮膚血管拡張によって体の表面から空気中に熱を逃がす熱放散で、体温を調節しています。この体温の調節がうまくできなくなると、体の中に熱がたまって体温が上昇し、熱中症が引き起こされます。

暑熱順化がすすむと、発汗量や皮膚血流量が増加し、発汗による気化熱や体の表面から熱を逃がす熱放散がしやすくなります。


よくある質問(Q&A)

Q:子どもや高齢者も暑熱順化は必要?

A:体温調節機能が弱い人こそ、日頃からの習慣が大切です。

Q:何日くらい続ければいい?

A:通常は数日~2週間ほどで体が慣れてきます。ただし、休むと効果が落ちるので継続が大切です。


暑さに負けない体づくりで、夏を健康に過ごしましょう!


関連リンク

熱中症から体を守ろう

令和6年5月から9月の熱中症による救急搬送数の累計は97,578人で過去最高の人数となりました。(※1)

※1 数値出典:総務省『令和6年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況の概要』


夏バテと熱中症の違い

夏バテは、気候の変化に身体がついていけない状態で、自律神経の乱れが主な原因となります。食欲が落ちる、なんとなく体がだるく感じるなどさまざまな体の不調が表れ、徐々に体調が悪くなることをいいます。一方で熱中症は、体温が上昇して身体に熱がこもった状態のことをいいます。脱水症状が原因でめまいや吐き気、重症の場合は意識障害などの症状が出ます。

夏バテと熱中症の違い

特徴

夏バテ

熱中症

原因

自律神経の乱れ

体温上昇・脱水症状

症状の現れ方

徐々に

突然

症状の重さ

軽い

重い

体調の悪化状況

屋内・屋外に関係なく発症

屋内、屋外に関係なく発症するが屋外で発症することが多い

緊急性

比較的低い

高い


熱中症予防のために

【水分補給】

室内でも室外でも、のどの渇きを感じる前にこまめに水分を補給する。

大量に汗をかいたときは塩分補給も忘れずに!


【服装】

通気性のよい、吸湿性・速乾性のある衣服を着用する。

屋外では日傘や帽子、日焼け止めを使う(直接日差しにあたっているだけでも疲労します)。

気温が高い日は、日中の外出をできるだけ控える。


【食事と休養】

肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質で疲労回復。

野菜や海藻でビタミン・ミネラル補給。

睡眠・休養を十分にとる。


【体力づくり】

ウォーキングやストレッチを日ごろから習慣にする。


高齢の人や体温調節能力が未熟なこども、障害のある人などは症状を訴えることができない場合があるため、周囲にいる人たちで声をかけあいましょう。


熱中症が疑われる人を見かけたら

  • 涼しい場所に移動させる

エアコンが効いている室内や風通しのよい日陰など涼しい場所へ避難させる。

  • からだを冷やす

衣服をゆるめ、からだを冷やす(特に首周り、わきの下、足の付け根など)。

  • 水分・塩分補給

水分や塩分を補給する。

暑さ指数(WBGT)も参考に(関連リンク)


暑熱順化~熱中症対策の一環として~への別ルート

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